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築25年海辺のカフェに225万円で入札

海岸の防風林内にひっそり佇むプチレストラン

 競売の物件資料(3点セット)はこちら
 2階建て延60坪ほどで、レストランといっても一般家庭と変わらない広さなんだけど、1階は店舗で2階に小さな部屋が6つもあるうえに階段が3つもあるちょっと変わった構造。

 焼津駅から5km離れ生活や交通の便はあまりよろしくないけど、市街化調整区域内かつ保安林のなかにあり家屋がまばらで今後開発される心配もなくとても静かな住環境。海まで100mで防潮堤に隣接していて2階からは海も見える。防潮堤の上は遊歩道になっていて正面には広場もあり、海越しに富士山が見える。
 防風林は松の単相林で広葉樹が好きな私としてはちょっと物足りないのだけれど、静岡県の海辺で広葉樹林なんて伊豆くらいにしか残ってないのであまり贅沢も言えない。海と林に囲まれ隣家も少ない物件なんて希少だ。平成6年築とそこまで古くなく固定資産税も5万円とお手頃で、売却基準価格は281万円とお買い得。

本当は伊豆がいいけれど

 3回伊豆へ物件探しの旅をして、気候が温暖で山と海両方の大自然を備える伊豆は移住地として理想と考えたけれど、物件価格が高いうえに大抵は別荘地なので管理費など高額の維持費がかかる。3年ほど競売公売や不動産サイトの情報を見てきたけれど、これといった物件には廃ペンションの1件しか巡り合えなかったし、その物件も現在差押が解除できず買いたくても買えない状態が続いている。

 そんなとき同じ静岡県で駿河湾を挟んだ焼津市に出たこの競売物件。伊豆でこれくらいの物件だと1000万円は下らないだろう。
 伊豆の廃ペンションの所有者と会いに行く必要もあったので、梅雨明けを待って再び3泊4日の車中泊視察旅に出た。
 
 

真夏の車中泊に備える

 ミラでの車中泊旅は2度目になるけれど、前回はちょっと窓を開けていただけで蚊に刺されてひどい目にあった。6月だったので窓を閉めて眠れたけれど、今回は暑くて眠れないだろうから網戸をプラダンとアルミ板で製作。
 御殿場で1泊、伊豆で2泊し、この自作網戸のおかげで熟睡できた。御殿場は標高が高いので涼しいし、伊豆は海風が吹いていて気温のわりに快適。真夏に冷房がなくても十分快適に過ごせる。

所有者に会って

 さすがに家のなかには上げていただけなかったけれど、敷地内を一通り説明していただきながら競売に至った事情などをお話しいただけた。50代の男性で脱サラして10年ほどレストランを継続されていたとのことで、3年もたたずに立ち行かなくなる飲食店がほとんどのなかで、かなりの経営手腕であることがその物腰や話ぶりからうかがえた。
 しかし庭にはテレビや椅子などの粗大ゴミがトラック3台分くらい山積みのまま乱雑に放置されていたり、銀行との話し合い決裂の状況などを聞いていると、やはり少々精神的に参っているようすも感じられた。

 7月1日から公告されていて本日から入札開始、入札期間は土日を除く6日間。この1月間入札希望者が訪ねてきたことはなかったらしい。辺鄙な場所で一般家屋と少々造りが異なることから転売や賃貸による利益は見込めそうもないからか。

買受可能価格ギリギリで入札

 海辺の砂地で作物が育ちそうになく畑ができないのが一番の欠点だ。
 さらに敷地の半分くらいを占める来客用駐車場と庭が借地なのがやっかいで、現在固定資産税程度の額で借りているけれど、落札者も同じように借りれるとは限らないし、舗装や門扉などの外構は売却対象ではないので別途買取交渉しなければならない。
 家族で現在も住んでいて商売柄動産も多いので、立ち退きには時間と費用が掛かりそうだ。所有者は話が分からない方ではないけれど、ズルズル物事を引き延ばしそうなタイプに思える。

 外構を1000万円で買い取れ!と言われる可能性もあるのに所有者と面談せず入札することはまずありえないから、他に入札者はいないと踏んで225万円で入札した。安いように思えるけど最終的には倍くらい掛かりそう。そもそも伊豆が本命なので、なにがなんでも落札したいわけでもない。
 

本命の伊豆廃ペンションの所有者と面談

 1月ほど前に手紙を出したけれど返信はなかったので、アポなし突撃してみた。70代のご夫婦で長年ペンションを経営されていただけに穏やかな雰囲気の人たちだった。しかし状況は思ったより深刻で、4月に自己破産し現在国税の滞納が650万円、地方税の滞納が230万円あるとのこと。滞納の内容は持ち家を売却した譲渡所得税で、長期譲渡所得の所得税分税率15%から逆算すると4000万強で売れたということだろう。自己破産のために持ち家を強制的に失ったのにその譲渡所得税は免責されず、管理財団に放棄されたボロペンションが差押えられた。今は駅から遠い築40年6畳二間家賃3万円くらいのアパートでつつましく暮らしている。

 もっと滞納金額は少ないと思っていたので手紙ではとりあえず300万円で申し込んだのだけど、880万円用意しないと税務署の差押えは解除できず、仮差押えが別途1件あるし登記費用を併せると1000万円は必要だ。
 廃ペンションは築35年で長期間放置されているため雨漏りや床腐りもあり、できるだけDIYしてもリフォーム費用に数百万円掛かりそうだ。1000万円で購入したのではとても割に合わない。なんせもともと800万円→300万円と値段を下げても買い手がつかず(この経過を当時私は知らなかった)、やけくそで75万円で売りに出したところを私が買い注文したけど仮差押えを入れていた債権者がそんな低価格での売却に納得せず売り止めになった物件だ。施設も陳腐化していて旅館としての営業利益はあまり望めないので、なんとか営業開始までの合計で1000万円程度に収めたい。

 そもそも高齢で仕事も財産もない所有者が1000万円近い税金を完納できる見込みはなく、お亡くなりなれば相続放棄されて不納欠損になるだろう。私が1000万円払っても未納が完納になる以外所有者には実質的利益がなく手続きが面倒なだけだ。むしろ税務署に公売してもらったほうがせいせいするだろう。
 公売になれば基準価格は200万円台と予想され、400万円くらいで落札できる可能性が高い。税務署の差押えは1年前に入っているけれど、税務署の見解では公売手続きに入るまではあと1年前後かかるそうだ。

リアルビジネスがやりたい

 そもそもなぜ住宅でなくカフェやペンションを狙うかというと、民泊事業をやりたいから。現在自給農プログラミングで何不自由ない生活を送っているものの、どちらも他人との接点があまりなく精神的にちょっとヤバいときがある。20年以上賃奴隷をしたのてもう滅私奉公の組織に属するのはコリゴリなんだけど、組織に属してないと他人との接点がないのも事実。組織に属さずに済むようにネットコミュニティビジネスに手を出してみたものの、ネット活動主体の人間には口舌の徒が多く不快な思いをしただけだった。

 
 個人でできるリアルビジネスは物販、飲食、宿泊業など。グッズ、アパレルやグルメには興味がわかないけれど、旅は昔から好きでバイクやキャンピングカーでよく放浪した。ちょうど民泊新法が制定されて環境も整ってきているし、旅人向けの安宿なら続けられそうな気がする。儲けることが目的ではないので週末に数人の宿泊客、一泊1500円で5人×4週=月3万円程度の事業規模で考えている。週1は民泊、あとは農やプログラミングをする生活にしたい。リアルビジネス拠点があれば他のビジネスの信用度も高まるし、スマホで簡単に予約、施錠、決済、オプションの清算ができるIoTシステムを現場で試行錯誤しながら作るのも面白そうだ。
 
 
 

開札は8月13日

 伊豆の廃ペンションはいつ手に入るかわからないし、焼津のカフェは農ができない。かといって確実に手に入る理想の物件はないので、落札できればまずは民泊を試してみたい。やってみなければ自分に向いているかどうかわからない。
 焼津から伊豆までは車で1時間ちょいなので、理想の物件が手に入るまでの前線基地と思えばいい。気候は伊豆と似ているので、寒暖差が厳しいが風がなく穏やかな山暮らしと、温暖だけど嵐が怖い海暮らしのどっちが向いているかも試したい。

落札ならず

8月13日追記:
 400万円で法人に落札された。6人も入札者がいて、ライバルはいないという予想は外れた。やはり本命の伊豆に賭けるべきなのだろうか。