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港のスロープ真正面の土地が競売に出た

こんな土地めったにない

 栃木山中で農を中心とした隠遁生活にもそれなりに満足しているものの、もう少し暖かい土地で小さな商いをしながら暮らしたい。気候や観光客数から伊豆を最有力候補として数年前から不動産を探している。いつものように競売物件をチェックしていると、港の目の前で自分の土地から簡単にボートが出せそうな土地が東伊豆の伊東市八幡野に出た。3点セットはこちら

 商いの候補としてカヌーツアーがいいと以前から思っていて、カヌーの整備や艤装の手間を考えると海に直接出ることができる土地は最適。海付きの土地は昨年もわざわざ伊勢志摩まで見に行ったくらいで、栃木から近く観光客が多い伊豆ではなかなか出てこない。これは見に行くしかない!

 こうして4度目の伊豆物件巡りの旅がはじまった。
 

車中泊仕様ミラ

 助手席と後部座席の背もたれを外すと、2m弱のフルフラットな空間ができる。
 助手席には衣装ケースを下駄を履かせて置いてあり、中にはコンロや鍋などの炊事道具が入っている。
 後部に布団を折りたたんでおいて、就寝時は運転席を一番前に出して背もたれを前方に倒せば快適に就寝できる。寝て1畳、起きて半畳のミニマムスタイル、昔はキャンピングカーで全国を旅したのにまるで対称的なスタイルなんだけど、googleMapが全てを変えてしまった。トイレのある公共駐車場、立ち寄り湯やコインラインドリーなど車中泊に不可欠な施設を初めての土地でもすぐに見つけられるようになり、重装備のキャンピングカーより燃費が良くて小回りが利くミラのほうが気楽になってしまった。
 3泊ほどの旅に2度出たことがあるものの、まだ寒い3月の旅は初めてで精神的に耐えられるか未知だったけれど、外気温5℃くらいなら十分快適に過ごせて、結果的にズルズルと7泊もしてしまった。虫もいなく低温で食品の保存がきき乾燥している3月は意外と車中泊向きの季節だった。

コロナのおかげで一気に弓ヶ浜へ

 3月15日の日曜日に栃木を出たところ、いつも渋滞している国道16号がガラガラ。まるで高速道路のようにスイスイと昼には伊豆に到着。コロナウィルスによるイベント自粛の影響で全然車がおらず、日曜だからトラックも少ないため、いつもより2時間以上速かった。週の前半は寒い予報(栃木は氷点下)だったので、できるだけ南に行っておきたいところ、しかし1日で南伊豆まではキツイので伊東泊を考えていたけれど弓ヶ浜まで楽勝だった。弓ヶ浜公共駐車場のそばにはみなと湯という400円の銭湯があって、海風は暖かく快適で2泊した。

 今回の旅では伊東市八幡野の競売物件のほかに、中古ペンションもいくつか巡る。カヌーツアーのほかにライダーハウス経営も伊豆での商いの候補だからだ。

中古ペンションの活用法について考える

 バブル期に乱立したペンション、若者人口の減少、車離れ、車中泊の流行などで経営は厳しいようで、結構な数のペンションが売りに出ている。築30年以上のボロ物件をDIYでリフォームして素泊2000円なら10室×2人×4週=16万円の月収になる。経費やオフシーズンを考慮すれば年100万円の利益にしかならないけれど、基本週末のみの労働で自由に暮らせるなら悪くない商いだろう。
 農やプログラミングをマイペースで継続したいので、報酬よりも時間の自由を獲得したい。もっともこの利益では物件購入費用の償却は不可能なので、自分の家を買ったと思うしかない。初期投資は完全に持ち出しとなるのでどれだけ抑えられるかにかかっている。

 今回見た中で最も安い、築50年で550万円の元民宿
 メンテされていて中は綺麗だったけれど、斜面にへばりつくように複雑な建築がされていてリフォームが大変そうだったのと、駐車スペースが少なく、周りに畑ができそうな土地もなかったことから見送り。

8000万円のペンション

 9部屋で延215坪という贅沢な造りの築30年ペンション
 完全に予算オーバーなのだけれど、実は公売に出ていて先日5187万で2回目の入札が行われたばかり。落札されなければ値段は下がっていくから3000万円くらいになったら入札してもいいかと思い、公売のことはおくびにも出さず不動産屋に内覧を申し込んだ。
 周辺に人家がなく隣地は耕作放棄地で農もできそう。車5台は入りそうなインナーガレージがありバイクを中に入れられるのでライダーハウスにいい。
 
 オーナーは70代男性で繁忙期のみパートを雇うものの基本1人で清掃から料理までやっているそう。元々埼玉で貸しビルをやっていたけれど、平成元年にビルを売り払い4億!かけて新築したらしい、なんともバブリーな話だ。コロナウィルスのせいで明日からの3連休も予約が入っていないこともあり、30年のペンション経営のイロハについて小一時間ほどたっぷりとお話を聴けたのは貴重な体験でとても参考になった。
 
 
 高級ペンションがどんな内装なのか興味がありひととおり見せてもらった。部屋も施設もゆったりとした広さは確保されているけれど、意外とシンプルで、窓からの景色はひたすら山、ちょっぴり海、という感じで、普通の旅館とそんなに変わらない。インナーガレージも旅館業法の関係で直通の出入口はなくいったん外にでなければならないので魅力半減。
 固定資産税が年80万円強、収容人数は同程度なのにさっき見たペンションの10倍以上!客単価2000円では税金だけで利益が飛ぶ。水道はなくて井戸なんだけど、1.5kmほど離れた場所にある井戸の土地は友達の所有とのこと。また、敷地内に売却対象外のコテージが一棟あり、オーナーはペンション売却後そこで隠居生活したいらしい。子供は4人いらっしゃるとのことだけど、ペンションを継ごうとする子はいない。

 
 つまり水利権を握り後継者から搾り取って愛着あるこの土地で楽隠居を決め込むつもりだ。大枚はたいてこのペンションを購入しても、ガレージにはランドクルーザー、そして海で大型クルーザーを乗り回す金遣いの荒そうなバブル世代の贅沢な暮らしを支えるために働かされ、経営にも口出しされるだろう。
 公売で安く手に入れても水がなくては話にならない。公営水道はオーナーの話だと国道を跨ぐので数千万掛かるとの話、数百m先にいくつか宿泊施設があるので話を盛っている可能性もあるが、役場に確認してみる必要があるだろう。
 そして県税を滞納し自宅を差押えられながらランクルもクルーザーも手放さず、こうして策略を巡らすあたり、落札してもすんなり出て行ってくれるとは思えない。裁判所主催の競売でなく静岡県による公売のため引渡命令が使えず提訴する必要があり、敗訴することはないものの時間と費用がかかる。そして強制執行となれば一般家庭の10倍はありそうな家財の搬出保管だけでも数百万の費用がかかりそう。
 建物はしっかりとした造りでリフォームの必要もなくすぐ営業できるのはいいけれど、水道と立退費用を考えると1千万くらいでないと入札する気がしない。固定資産税が高く、広くて掃除も大変そうなので、客単価を上げて高級路線でいかないと採算がとれそうにないけれど、日本経済の先行きを考えると高級路線よりもリーズナブルな安宿のほうが生き残れる気がする。

 その他2~3千万円のペンションを3つほど眺めてみたものの、立地や周辺環境がイマイチでピンとくるものはなかった。高いからといってよい物件とは限らずバランスが重要なんだけど、結局3年前に見つけた廃ペンションを超える物件は見つからない。

 

 

カヌーツアー拠点候補地へ

 南伊豆ペンション巡りを終え、いよいよ本命の伊東市八幡野の競売物件を見に行く。
 伊豆でカヌーなら西伊豆か南伊豆のほうが水も景観もいいのだけれど、東伊豆でやるとしたら川奈~八幡野区間しかない。他は海岸沿いに国道が走っていて興ざめだからだ。とはいえこの区間を航行したことはないので、川奈から出艇してツアーにふさわしいコースかどうか検証する。
 
 ツアーにつかうカヌーは北海道の知床から九州の雲仙天草まで全国各地の海・湖・川を航行し独自の改良を重ねた船舶免許不要の2馬力船外機付で、速くて安全で楽しいを追求した船だ。これを5艇ほど用意してツアーをやろうという算段だけど、毎回トレーラーで運んで5艇も艤装するのでは辛すぎるので、海に直接出られる土地をずっと探していた。次回八幡野港でカヌーツアーの可能性を探る。

つづく