堂ヶ島でカヌーが沈没

道の駅くらら戸田で温泉三昧

 このページは前回のつづきです。

 八幡野港目の前の競売物件調査を終えて、カヌーツアー適地を改めて考えるため西伊豆に移動したものの、天気は下り坂。夜から雨が降り出し、明日は西風が強く、波高も3mの予報だ。
 明後日には天候も回復する予報なので、天気待ちでしばらくのんびりしようと考え、日帰り温泉施設を併設している道の駅くるら戸田へ向かった。

道の駅併設の温泉「壱の湯」が素晴らしい

 500円と手頃な割に露天風呂と内湯、20ほどのシャワー、ボディソープ、シャンプー完備の洗い場、そして広い休憩室があり、まったりするのに最高。

 休憩室が特に素晴らしく、飲食や滞在時間に制限もないし、人気著名漫画が全巻セットで多数置いてあるので、漫画喫茶的に楽しめる。
 夜9時の閉館ギリギリまで居座り隣の道の駅に移って寝る、というパターンを3日間繰り返した。3連休だったこともあり、車中泊の車は50台くらいで駐車場区画の半分は埋まっていた。

 道の駅というわりには幹線道路からかなり外れた立地で、トラックの通行は皆無。夜になると通る車も入場する車もおらず、エンジン音や話し声で睡眠が中断されることもない、とても静かな環境でトイレ、洗面台も清潔。
 何年かぶりに無為な時間の流れを存分に味わい、とてもリラックスできた。
 

西伊豆スカイラインへ

 さすがに丸一日湯と畳でボーっとし続けるのもキツイので、かつての観光有料道路で絶景の西伊豆スカイラインを走ってみた。道の駅くるらは西伊豆スカイラインの起点から海側に降りたところにあるのでアプローチは良好だ。

 この日は前線通過直後の快晴、伊豆からこんなに綺麗に富士山を拝めたのは初めてでテンションが上がる。

 
 元有料道路だけあって道路規格は優秀、路面は良好。
 緩やかなカーブが続き、バイクで走ったらさぞ気持ちよさそうだなあ。

平和寺本山

 西伊豆スカイラインの絶景を独り占めするかのような場所に建つ宗教施設。
 手前が納骨堂で奥に宗務所があり、スカイラインからの入り口には像や碑がいくつかあった。
 一般住宅と変わらない造りの宗務所を覗いてみたけれど、使われなくなってだいぶ経ってるかんじだ。宗教法人平和寺本山の施設らしいけれど、HPによると平成25年で活動報告が途絶えている。宗教に興味はないけれど、景色は抜群とはいえ周辺数十キロにわたり人家もない場所によくこんな施設建てたもんだ。活動報告の写真を見ると、修行僧のわりにずいぶん血色のよさそうな坊主どもだな、という印象。
 西伊豆町の街なみをバックに西天城高原・牧場の家を眺める。

 ここから宇久須か松崎に降りることができるけれど、松崎への道は景観もない林間の狭路で時間がかかった記憶があるので宇久須へ。

 風は強く海は荒れカヌーの出艇はとても無理なので、昼前には道の駅戸田くるらに戻り、壱の湯で9時間ほど湯につかって休憩室で漫画読んでを繰り返しのんびり過ごす。

浮島へ

 西伊豆海岸最大の見どころである堂ヶ島洞窟のすぐ北、浮島海岸は公共無料駐車場のすぐ脇からカヌーを出せる。
 2年前の初めての伊豆物件探しの旅でもここから出艇したけれど、湾を出たところで一部波が高くなる海域があり2mの波を突破できずに引き返した。
 高波だった昨日とうって変わって今朝は凪、しかし予報によると昼には波高1.5mになるらしいので早めに出発し、状況を見て引き返す可能性もあるけれどできれば子浦あたりまでいきたいと考えていた。

 しかし3日前川奈から出艇したときは好調だった船外機がなぜか掛からない。
 結局キャブレターをバラし、再度組み立てて治ったけれど、1時間以上の時間をロスした。

堂ヶ島のトンボロに行く手を阻まれる

 浮島の湾を出たところで2年前同様高波エリアに差し掛かる。1mほどの波があったけれどなんとか乗り越えて順調に南下し堂ヶ島にさしかかる。
 三四郎島といわれる列島群の間を抜けようとしたけれど、岩礁を洗う波は高くブレイクしていて突破できそうにない。
 やむを得ず沖合をまわることにしたけれど、海面下の暗礁にスクリューが当たるのを恐れ1kmほど沖を航行することになってしまった。当然沖合は波が高く、転覆しないよう1.5mほどの波に対し垂直になるよう操船しつつなんとか比較的波が穏やかな岸までたどり着く。
 転覆は免れたものの、この時点でカヌーには50ℓくらいの海水が浸水していた。
 オープンデッキカヌーなので、ベタ凪のとき以外はどうしても海水が船内に入ってくる。とはいえブレイクしている高波に対して平行に侵入でもしない限り、一発で満水沈没することはない。今まで数十回出艇し2mの波にも耐えてきた経験から、今日の波なら乗り切れる自信はあった。
 しかし浸水を放置したまま長時間波にさらされるとだんだん喫水が下がり、1回の波でコップ一杯程度だった浸水がどんどん多くなっていくので、できるだけ早く波の穏やかな海域に逃れ排水する必要がある。船尾に見える灯油シュポシュポは溜まった海水を排水するために取り付けてある。かつて電動ビルジポンプを取り付けたこともあるけれど故障が多く、結局シンプルイズベストということで手動ポンプとコップで排水していた。
 
 
 排水作業すべく逃げ込んだ湾は南西からくる波に対し何の障害物もなく、むしろ波が集まってくる場所だった。岸辺にもかかわらず波は1m近く、排水した分浸水してくる感じだ。15分ほど排水作業を続けたけれど船内の海水の量はあまり減っていない。
 そして予報どおり、むしろそれ以上に波は高くなり、いつの間にか沖合にはところどころに白いブレイクが発生し始めていた。

 この時点で南下は断念し浮島へ戻ることを考えたけれど、浸水したままの状態で再度沖合をまわるのは危険だった。湾内には上陸できそうな浜が見えたけれど、波打ち際はブレイクしていて転覆の可能性が高い。さらにこの浜が道路に続いているかもわからない。上陸しても道路に出れなかったり、カヌーを回収できないかもしれない。なんとか排水して浮島まで戻りたい。
 

沈没

 今思えば最良の選択はすぐ南にある天然の良港、乗浜海岸へ避難することだったけれど、初めての海域で地図を持っていなかったのでその存在に気付かなかった。
 浮島へ戻ることにこだわり排水作業を続けたけれど、波はどんどん高くなり船内の水かさは増し、やがて浸水のペースが明らかに排水を上回り沈没が免れない状態になった。
 瀬浜海岸への上陸を決意し排水作業を中断しパドルを取るも、それから3分ほど、岸から50mのところでカヌーと船外機は完全に海中に没した。カヌー両舷に取り付けてあるサイドフロートの浮力で辛うじて海底直行を免れ、腰まで水に浸かりながら必死でパドルを漕いで打ち上げられるように海岸へたどり着くも、波打ち際で満水のカヌーの下敷きになって全身ずぶ濡れとなり、波に揉まれながら少しずつカヌーを引きずり上げ、なんとか最悪の事態は脱した。
 

原因

沈没した原因は、

・これから波が高くなることが予報されていながら出艇した。
・初めての海域なのに地図を持たなかった。
・排水設備不十分

 海は気まぐれだ。ベタ凪だった海が30分ほどでウサギが飛ぶ高波になることもある。変化にすぐ対応できる事前準備と、そもそも天候悪化の兆しがあるときは出艇しないのが一番だ。 

不幸中の幸い

 期せずして見知らぬ浜へ上陸してしまったけれど、そこには運よく公衆トイレ付のりっぱな公共駐車場があった。
 堂ヶ島ホテル脇の細い道を入った先にある4台しか止められない狭い駐車場だけど、浜から直ぐなのでカヌーの出艇は浮島よりも容易だし静かで景観もよく、ちょっと傾斜がキツイけれど車中泊にも最適だ。国道からだとホテルの敷地に入っていくようにしか見えず、看板もなく駐車場も見えないので、今まで何度も通っている場所なのにその存在に気付かなかった。

 浮島まで2km弱を歩いてミラをまわし、容易にカヌーを回収できたのは幸いだった。もし道路に通じてない浜だったら後日波が収まるのを待って再出艇しなければならないところだったし、もっと先へ進んでいたら浮島に戻るのも大変だった。

 沈没による損害は海水に浸かって文鎮化したスマホ、排水用100均コップ流失、あとはカヌーが凹んだくらい。

こんなカヌーでほんとにツアーできるのか

 釧路川で沈した経験はあるけれど海での沈は初めてで、改めて海の怖さを思い知ったところで、そもそもこのカヌーでツアーの安全性を確保できるのか、という根本的な問題をもっときちんと考えなくてはならない。

 1.5mの波予報で沈んだので、安全性を考え1日を通して波高1m以下で晴れの予報日しか出艇しないこととすると、今回滞在した1週間では1日しか該当しない。これでは単独の事業としては成立しない。ライダーハウスの傍ら時たまツアーを実施するという体制でなければ難しい。
 
 八幡野港の土地は実質80坪程度しかなく、宿泊施設を併設できるほどのスペースはない。カヌーツアーのためだけの土地を買っても意味がないことがわかったので、入札は見送ることにした。

本気でカヌーツアーをやるなら伊勢志摩か

 2馬力船外機船でのツアーをやるならもっと穏やかな海のほうがよい。
 伊勢志摩は複雑な海岸線を持ち入り江が深く波が穏やかな海が多い。海ギリギリに家が建っているけれど、伊豆だったら2階まで波をかぶるだろう。こんな海なら毎日でもツアーができる。
 海付きの土地や家も多く、去年物件を見に行った。伊豆のようなダイナミックな景観ではないけれど、穏やかな海と自然が豊かでいい場所だと思う。
 
 ただし観光客やライダーが伊豆ほど多いわけではないので、ライダーハウスをやるのは厳しい。伊豆より南にあるくせに黒潮から少し離れているのと大陸からの寒気を遮る日本アルプスのような高い山脈が北にないせいか冬はけっこう寒い。

 温暖な土地で農を充実させるか、ライダーハウスを賑やかにやるか、カヌーツアーを本格的に立ち上げるか。何に一番力を入れたいのか迷っている。
 


夏野菜が発芽

 先月27日踏込み温床に蒔いた種が発芽。
 露地とナス科はまだだけど、マメ科、イネ科、ウリ科は順調に発芽している。いよいよ今年の農も始動だ。

 

追記:開札結果

八幡野港前の土地は450万円で法人が落札。さて、駐車場にするのか、なにか店でもやるのかな。