QFN32ピン0.4mmピッチも不安なし

1週間で到着、仕上がり良好

 キャンピングカー電力制御計画のために7月31日に中国のJLCPCBに発注していたプリント基板が昨日届いた。
 10cm×10cmの基板を5枚209円と10枚521円、それからステンシルが733
円。発注額1463円と送料1686円で3148円のお買い物。FedEXの送料は高いけれど1週間で届くのはさすが。



2個口で届いた

なんか思ったより大きい。
大きいほうを開封すると段ボールで厳重に梱包されている。
Aliexpressなどの中華通販は梱包があってないようなものが多いけれど、ずいぶんしっかりしている。
ステンシルが捨て板2枚に挟まれた状態で内包されていた。
10cm×10cm基板用なのに、38cm×28cmのステンレス板丸ごとで送られるとは思わなかった。穴にバリなどは見受けられず、0.2mm幅のパッド穴もきれいに抜かれている。
基板は小箱のなかに、プチプチの真空パックされていた。
謎のビニールテープがおまけでついてきた。

拡大スコープでチェック

 何枚かチェックしてみたけれど、パターンにもシルクにもズレは全く見つけられなかった。中華基板製造はパターンが切れたりカスレたりズレたりするのが当たり前、10枚頼んで半分使えたら良い方、みたいな記事が多かったのであまり期待していなかったのだけれど予想外に完璧な仕上がり。0.4mmピッチがキチンとできるのか半信半疑だったけれど、外見上はケチの付けようがない。
 ちなみにサーマルパッドのスルーホールがずれているように見えるのは、私がKiCadで設計するとき適当に打ったからで、設計データーそのものがずれているのであって製造業者のせいではない。

配達状況はこまめに更新される

 今中国の何市にあるのか、すぐわかるようになっているので配送の不安はない。さすがに商品代金より高い送料を払っているだけのことはある。Aliexpressのようにトラッキングデーターが更新されないようなことはない。
 しかし配送期間は1か月くらいかかってもよいので、もう少し送料が安くなるともっと気楽に発注できるのだけれど、一番安い発送方法でもFedExしか選べない。

 1年くらい前までは系列の電子部品通販LCSCに同時発注すれば部品と基板を同梱してくれていたらしいのだけれど、現在同梱対応は止めてしまい別発送なので送料が倍かかる。商品代金が激安だしすぐ届くし安心なので文句はないのだけれど、いつも急ぎというわけではないので安い発送方法も選べればいいんだけど。


発注は簡単でサポートは親切

 KiCadでガーバーファイルを出力するときはこのページのとおりやれば問題なかった。ガーバーファイルをアップロードし、クレジットカードで支払いするだけ、Amazonでポチるのと変わらない感覚で発注できる。
 今回はステンシルも発注したのだけれど、なにも考えずステンシルも基板と同じファイルをアップロードしたところ、翌日サポートからメールが来た。
Hi Sir,

Well got your order with many thanks~

Sorry to bother you, but there is one thing that we want to confirm with you about your stencil order before proceeding.

As shown below, should we need to open the indicate area on the stencil ? they are NOT in the paste layer in your file .Yes or No?

Your early reply will be highly appreciated, thank you so much!
 3か所あるジャンパー部のステンシルの穴を開けるかどうか指示してくれ、とのこと。
 これはステンシル制作に必要なpasteレイヤーを私がガーバーファイルに含めずにアップロードしてしまったために生じた確認だ。PasteレイヤーがなくてもMaskレイヤーあたりから起こせるのだろうけど、恐らくジャンパーだけは実装部品かどうかのデータが不足していたのだろう。
 
 こちらとしてはジャンパーは手はんだするのでステンシルに穴があってもなくてもどちらでもいいのだけれど、Yes or Noとわざわざ確認してくれているのにどっちでもいい、と答えるのも誠意がないし、と思いpasteレイヤーを含めてガーバーファイルを再出力して、
Hi,thank you for confirming.
Sorry,I forget to includ the paste layer in my zip file.Please check
it as it will be attached.Kind regards
返信メールに添付した。
Hi there :

Thanks for your email.

We are no access to fix the file for customer,we only can cancel this issue ,and then you can replace it when you fix the file since we haven't refund to you yet.

Sincerely,
 すると、メール添付のファイルは権限がなく開けないから再アップロードしてくれ、とすぐに返信がきた。最初のメールもそうだけど、わざわざ画像ファイルを添付して親切に案内してくれる。
 JLCPCBのHPからpasteレイヤーを含めたガーバーファイルをアップロードして、
Hi.I replaced the file on your website according to your instructions.Sincerely,
と返信。


すぐに
Hi there,

Thank you for your support.

That is ok.

Best regards

Thanks and best regards.

ときてHP上の進捗状況表示はすぐにawaitからprogressに変わり、翌日にはproduct completeになっていた。
 わずか1463円の発注で、こちらの確認ミスも丁寧に誘導して素早く紳士的に対応してくれるなんて素晴らしい。

 中国への外注はC国ガー、中華クオリティ云々と悪評が目立っていたので半信半疑だったけれど、全くの杞憂に終わった。どうりで「おもてなし」などと唄って高品質、高付加価値を前面に押し出すばかりでボッタくりの日本経済が終わるわけだ。この品質なら商品化に向けての製造を安心して進められる。

 ちょっと心配していた関税や消費税も一切掛からなかった。電子部品は1万円以下なら関税、消費税ともに免除との情報はあったけれど、この手の制度は政治に振り回されてコロコロ変わるのでよくわからない。今のところ小規模事業者は費用面で国内取引より有利のようだ。

10cm×10cmでもかなりの回路を組める

 自作の基板カッターで面付けしていたパターンを分離する。
 チップ部品がどんどん小型化しているので、実装面積はコンパクトで済む。
 

 サブバッテリー充電回路のほかにも、ファンヒーター温水熱源機電気柵スマートホームなど、従前から取り組んでいた回路も今回ついでに含めておいた。
 これらはブログにアップしたまま放置してすっかりヤルヤル詐欺みたいになってしまっているけれど、忘れていたわけじゃない。やりたいことが多くて後回しになってしまっていただけ。

 今まではCNCで試作基板を作っていたけど、チップ部品は0402(1mm*0.5mm)が主流になってるし、手はんだできる1206(3.2mm*1.6mm)やスルーホール部品も入手可能とはいえ値段が3倍前後するし、半導体もDIP品は年々少なくなりQFNやBGAパッケージがほとんど。CNCでは1mmピッチ位が限界なので、もう出番はなさそうだ。これだけ安く高密度基板が製造できるなら、自作にこだわる必要はないか。

キャンピングカー電力制御計画のなかみ

 ノートパソコンのバッテリーを充電する専用IC、bq25703aに充電制御を任せ、I2Cで相互接続したWiFi通信モジュールESP32(ESP8266の後継)が並列制御とクラウド通信を担当する。

 Bq25703a単体では外付けのFETとパワーインダクタを強化しても元がノートパソコン用途なので10A程度しか出力できない。これでも100Ah鉛バッテリー1個だけのキャンピングカーなら対応できるし、標準で付いている充電器もその程度の出力なんだけど、大容量リチウムイオン電池搭載車の急速充電に対応するには出力50Aは欲しい。Bq25703aのユニットを並列接続し、ESP32にバランス制御させる作戦だけど、実際に通電して得たデータを収集して試行錯誤してみないと大電力並列制御がうまく行くかどうかわからない。

 並列制御に万全を期すならIsl81601のようなクロックを同期できる産業用DCDCがいいのだけれど、通信機能が貧弱だ。Bq25703aは電圧や電流をI2C通信で取得及び制御できるのが最大の利点で、ノートパソコンなどのモバイルデバイスがバッテリー残容量を正確に表示できるように、半導体世界一位のTexas Instruments社が長年工夫を重ねてきた機能を活用できる。

 要するにノートパソコンなどで既に実現されているバッテリーの正確な充電制御と情報表示をキャンピングカー用のサブバッテリーに応用しようというわけ。汎用DCDCを利用するより安全で高効率だ。今回作成した回路もほぼデーターシートそのままコピーしただけ。

  


 コピーとはいっても各部品の電流量や周波数特性を考えながら、最適な位置に配置して繋いでいくのは複雑なパズル。あちらを立てればこちらが立たず、の繰り返しでbestはなくbetterを求めて無限の試行錯誤が必要だ。

 最終的にはこの辺でいいか、という妥協になるのだけれど、ほとんど完成間近まで追い込んでから、やっぱり納得いかんとちゃぶ台ひっくり返しもしょっちゅうで、こだわると際限がない。
 バラバラに置いた部品を納得できる配置に組み上げるまで2週間かかった。
 今回の発注では、この充電回路のほかにもオリジナルの回路を5つほど作成したので、設計には丸々1カ月ほどかかった。
 
 実際にプリント基板としてその成果を受け取ると、頭の中のイメージが形になった喜びはとても大きい。他人にとっては単なる木っ端だけれど、自分にとっては情熱を注いだ世界でひとつだけの宝石のようなものだ。

 基板に載せる部品もLCSCに同日発注済みだけど、こちらは今朝成田に到着したようなので明日には届くだろう。リフローして実際に動かすのが楽しみだ。