13年落ち東芝ダイレクトドライブAW-70DE

全自動洗濯機の宿命、黒カビ

 パーツの裏に潜む茶色いカス。
 これは洗濯槽の裏側などに長年かけて付着した黒カビ、発生すると増えていく一方で、分解清掃しないと根本解決しない。こんな状態で洗濯しても衣服を綺麗にするというよりわざわざ汚しているだけ。

 ドラム式で毎回乾燥運転まで行えば、槽に水分が残らないのでカビは発生しにくいと思うけれど、雨の心配をせず洗濯物をいつでも取り込めるセミリタイヤ生活者にとって、50円/回、1500円/月、18000円/年の電気代がかかり衣服も痛む乾燥機能は不経済でしかない。そして乾燥しないならばドラム式とて黒カビからは逃れられない、となると構造が単純で分解が容易な縦型洗濯機のほうがこまめに清掃できて長く使える。以前ドラム式洗濯を分解清掃したけれど、半日がかりでとても大変だった。

1993年製4.2kg洗濯機

 今は亡きSANYO製で27年落ちにも関わらず現役バリバリだ。
 栃木の家を競落した際に前所有者が残置したもので、屋外に置いて雑巾や軍手など汚れ物専用機として使っていた。たまに給水電磁弁や水位センサーの調子が悪くなるときがあるけれど、端子を磨いたり息を吹き込んでダイヤフラムに刺激を与えると復活するのでダマシだまし使ってきた。

 先月南伊豆の家を契約し仮住まいするにあたり、栃木の家でメイン使用している洗濯機はこれからも使うし、ミラに積むとスペースを取りすぎるので、とりあえずサブ機のこちらを運んできて設置した。しかしいつ壊れるかわからないし、4.2kgだと1日2回まわすことも多くなり面倒なのでもう少しマシな洗濯機を探していた。

2007年製7.0kg洗濯機

 ダイレクトドライブの先駆者、東芝製で一気に14年も若返った。
 操作パネルのビニールは破れて読めず、汚れも酷いけれど、なんたってタダ、0円。さすがジモティー。

 中古住宅とはいえふつう新居を買えば、ウキウキして家電や家具なども新品を揃えたくなるところだけれど、ジモティーを有効に活用すればほぼ無料で揃えられる時代、むしろ大金を使った後だからこそいっそう節約しなければ。

 ただ中古洗濯機は例外なく黒カビが酷い。前述のSANYO洗濯機も分解清掃済みだけど、こいつも当然使用前に分解清掃する前提。槽を取り外すときに専用工具が必要な洗濯機も一部あるので、型番+「 分解」でググり分解が容易な機種であることを確認したうえで引き取った

さっそく分解

 上蓋は背面のビス2本を外し、前面のツメをマイナスドライバーでこじると開く。
 
 まずは洗濯槽上部のカバーを外す。
 ツメを6箇所外せば取れるけれど、13年経過しているだけあって柔軟性がなく一本折ってしまった。
 外したところ。
 上蓋は左端の電線のハーネスに余裕がないので45度くらいしか開かないけれど、これだけあれば洗濯槽を取り出すことができる。
 ハーネスは左端の2か所のツメに引っかかっていて、そのままの状態だとほとんど上蓋が開かないので一時フリーにしてやる。指で押してやれば簡単に外れる。
 パルセーター中央のねじを外す。
 ねじ頭をナメると取り返しがつかないので、きちんとサイズに適合したドライバーで押し7、回し3の力で緩める。空回りするけれど、片手で羽を抑えながら回せば緩んだ。
 あとは羽を両手で掴んで左右に細かく揺さぶりながら上方へ少しずつ引っ張ると、パルセーターを取り外すことができる。
 10mmの六角ねじ4本を取り外す。写真は1本だけ外した状態。
 このネジは錆びていることが多く、昔パナソニックの洗濯機で4本中2本折ってしまったことがある。残りの2本だけの固定でも問題なく動いているけど。。。

 10mmネジは力を入れれば簡単に折れてしまうので、固着しているようならCRCなど吹いて慎重に緩めてみよう。どうしようもないのは折るしかないけど。。。

 ここまでの構造は極めて標準的で、パナソニック、シャープ、SANYO、たいていは同じだ。

洗濯槽取り外し

 洗濯槽を取り出し、残った外側、洗濯槽下部の鉄部から発生した錆びが溜まって固着している。さすが13年落ち。。。
 タワシとスポンジを駆使して洗ってみたけれど、あまりきれいにはならなかった。
 取り外した洗濯槽は表面に薄いカビの膜ができている。
 洗濯槽外側はタワシでゴシゴシこすると綺麗になった。
 外槽に付着した錆びは洗濯槽底部についている鉄部品の錆びだろう。
 白いプラスチックの穴のなかにも黒カビが多数発生している。高圧洗浄機があればひと吹きなんだけど、栃木に置いてきたのでブラシで地道にホジホジする。
 洗濯槽内側についているプラパーツの内部が一番汚れていた。
 これはAg+イオンコートとかいう部品で、中に正体不明な袋が入っていたけどカビで真っ黒だったので投げ捨てた。変な機能を付けて複雑にするとタダのゴミ溜めになるだけ。

 これじゃイオンコートじゃなくてカビコートだ。
 糸くずフィルターや柔軟剤投入口も酷い汚れ。
 パルセーターに意味不明の部品がくっついているんだけれど、ただのカビ温床じゃないか。
 ブラシでゴシゴシやって綺麗にした。こんな部品無くていいと思うけど。

 冷静に考えれば普通に使える洗濯機を買い替えたり、ましてやタダでフリマに出すなんてありえないわけで、結局コイツも黒カビが洗濯物に付着して手に負えなくなったから捨てられたんだろう。「普通に洗濯できていました」と書いてあったけれど、清掃前に試運転したら大量の黒カビが浮き上がって泥水状態で、普通の人はこの状態で洗濯しないよ、とツッコミを入れたくなるほどだった。

 メーカーとしては黒カビが生えやすいほうが買い替え需要が発生し都合がいいわけだ、故障ではないから保証する必要もないし。私個人としても清掃するだけで新品同様になるものをタダで取得できるのだから感謝すべきか。
 しかし経済用語でいう付加価値がこういう構造になってくると、資本主義もそろそろ終焉が見えてきそうだ。

 
 綺麗になった洗濯槽を元通り組付けて、作業完了。
 余計なプラパーツのせいで結構時間がかかったけれど、取り外し自体は簡単なので、こまめに清掃すれば1時間もかからないだろう。

 風呂掃除を1年間サボる人はまずいないと思うけれど、洗濯機掃除をやる人はあまり聞かない。しかし汚れの付着は浴槽も洗濯槽も似たようなもので、薬剤だけで落ちるはずのないことは、一度でもゴシゴシ清掃してみれば明らか。寝具なども洗うことを考えると、健康への影響は風呂の汚れ以上に大きいはずだ。見えないからといって思考停止するほど恐ろしいことはない。

 

ダイレクトドライブは静か

 今から30年近く前の1993年製と比べ基本構造はほとんど変わっていないし、おそらく現在の製品も大差ないだろうけれど、ベルトやギアのないダイレクトドライブモーターはさすがに静かで振動が少ない。洗濯容量が1.7倍なのに筐体の大きさにあまり違いがないのは振動マージンが少なくて済むからだろう。

 試運転は良好、外面はボロいけど中身は新品同様になったので、これからもこまめに清掃して30年は使うぞ。