農地の利用権を正式に取得

所有権は取得できなかったが

 昨年10月に南伊豆町の農家住宅物件を見つけ売買契約を締結し、農地法の許可を申請したものの取り下げとなり、改めて利用権設定を審査することになったのだけれど、やっと結果が出て正式に農家として認められた。

 一足飛びに農地の所有権を取得しようとしたけれど、農学校も研修施設も出ていないよそ者に農業委員会は慎重で、まずは借地からということに。これから1年間耕作し年末に再度農地法第3条許可を受けて所有権を取得して登記が終われば晴れて本百姓になれる、面倒だけどあと1年の辛抱だ。


役場玄関横に公告

 利用権設定は許可書の交付がなく、公告という形で発効するらしい。

 役場正面玄関の横に誰も見ないガラス張りの掲示板があって、その中に農業経営基盤強化促進法第18条第1項に・・・という文書があったけれど、表紙しか見えずガラスケースの中じゃ肝心の内容を見ることができない。担当者に聞くと情報開示請求してくれ、とのことで、コピー代10円を払って入手した「農用地利用集積計画」には確かに私の名があった。

 なんだか小難しいことが書いてあるけれど、要は農地台帳に記載された、ということらしい。
 もし年末の農地法許可申請が再び却下されれば栃木へ撤退する可能性もあるけれど、これで今年いっぱいは南伊豆町で暮らすことに決定した。

新規就農するなら過疎地がよい

 職業として農業するならともかく、セミリタイヤ生活者がゆるく自給農しようというのに、わざわざ1年も研修を受けようとは思わないだろう。しかし農地が欲しい、でも研修はイヤ、これじゃあ農業委員会は門前払いするのが普通だ。

 ワガママ移住者を受け入れてくれた南伊豆町の事情を推察するに、著しい人口減少があるのだろう。2021年元日現在の人口は8022人、予測より減少率は少し持ち直しているようだけれど、最近は5年で10%人口が減るという凄まじい状態にあった。高齢化率はほぼ50%で、47歳の私がここでは若者の部類に入ってしまう。

 最低保有面積は普通5反(1500坪)だけどここでは2反(600坪)でいいし、農地が広すぎても持て余すだけなので、販路を考えなくてよい自給自足ならば過疎地のほうがちょうどよい農地を手に入れやすそうだ。

いったん栃木へ戻る

 10月下旬に南伊豆で仮住まいを始めるにあたり日用品は持ってきているものの、農機具などは栃木に置いたままなので、2月下旬のジャガイモ植え付けまでに取りに帰らなければならない。暖かい南伊豆に慣れてしまうと、極寒の栃木に帰るのは極めて億劫なのだけれど、うっかり井戸ポンプの水抜きを忘れたままなのが気になる。去年のような暖冬なら問題ないけれど、もし井戸ポンプが凍結して壊れたら5万円コースになる。本格的な寒波が来る前にいちど帰らねばならない。

 週間天気予報と睨めっこしてできるだけ暖かい日が数日続くときを狙う。しかし予報を見れば見るほど寒そうで帰りたくなくなる。理由を付けて先延ばししてきたけど氷点下の日が多くなりいい加減ヤバいと思って2カ月ぶりに栃木へ戻った。

 冬至前後は森に遮られ日当たりが悪い我が家は外気温10℃あるのに室内は1℃しかなかった。晴れの日中は無暖房で25℃を超える南伊豆の家とはえらい違いだ。この家で冬を越すのはもう無理かも。

耕うん機を積み込み

 主力兵器のホンダFU650ミラに積み込む。ハンドル外せばちょうどいい感じに搭載可能。

 鍬やレーキ、スコップなど、それから2カ月ほったらかしの畑から収穫した大根、白菜、かぼちゃ、里芋などを積み込み。ほったらかしでもこの冬を越すのに十分な収量を確保できた、今年の晩秋は暖かかったからなぁ。

南伊豆に到着

 栃木には3泊4日の滞在でトンボ返り。1日500円分は灯油を燃やさないと過ごせないので、コスパが悪すぎてゆっくりする気にもなれない。

 耕運機が重すぎるのか、かなりチョッパーで運転しずらかったけれど、8時間のドライブで無事帰還。屋根の上に載せているのは育苗用の温床箱

 ビニールハウスも持っていきたかったけれど、これ以上積めないし、バラすのに1日がかりで滞在日数を伸ばすのがイヤだったのであきらめた。南伊豆は暖かいからハウス内でなくても育苗可能だろう、ハウスは暖かくなってからゆっくり解体作業することにしよう。

最強寒波到来

 南伊豆に帰還してすぐに、10年に1度レベルの寒さに。
 足利市に5年住んだけれど、-6℃は記憶にないので相当な冷え込みだ。暖冬の去年は-2℃までしか下がらなかった。夜通し氷点下なので水抜きしなければ井戸ポンプは破裂していたかもしれない。やはり12月のうちに帰って正解だった。

 そんな時でも南伊豆では氷点下にならず、室温は6℃まで下がったものの栃木に比べたら常春の毎日だ。晴れた日なら朝1~2時間ファンヒーターを稼働するだけで1日中快適なので、灯油代は1日100円程度。我慢すれば無暖房でも冬を越せる。給湯器と井戸ポンプの凍結防止ヒーターの電気代が月5000円、灯油代月2~3万円はかかる栃木に比べると、年10万円は安く済む。
 世界における日本経済の相対的地位がどんどん下降することはもはや避けられず、いつまでも安くエネルギーを輸入し続けられるとは思えない。今回の寒波で電力需給が逼迫しJEPX(電力市場)の価格が10倍に高騰するなど、既に日本のエネルギー調達能力は限界に達しており、成長著しい新興国の旺盛なエネルギー需要に対抗するには小売価格を上げていくしかないだろう。エネルギーに頼らない節約志向の自給自足セミリタイヤ生活を構築するなら、温暖な地であることが第一だ。