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薪ストーブは冬の山暮らしの支え

しょせん効率では石油にかなわない

 薪ストーブで中ポカポカとか、体の芯まで温まるとか、美辞麗句が溢れているけれど、客観的にいって皆ウソだ。感じ方は人それぞれだから自己満足で心が暖かくなるのは結構なんだけど、お金も手間も掛かる割に大して暖かくはないというのが現実だ。何十万もかけて設置するなら床暖房の方が遥かに幸せになれる。中古で手に入れたに初めから付いていたというだけで、最初は邪魔物扱いしていたくらいだ。
 それでもなぜ薪ストーブを使うのかといえば、やることのない冬の寒村で唯一体を動かす機会を作ってくれることと、単純に火遊びの魅力に尽きるだろう。

膨大な手間を費用と考えるかどうか

 1日控えめに燃やしても収穫コンテナで2~3箱分の薪を消費するから、写真に写っている丸太で1シーズン分くらい。伐採、玉切、薪割にそれぞれ2~3日は掛かる。一方灯油で暖房した場合1シーズンの灯油代は4~5万円程度だから、時給1000円で計算してもトントンといったところ。
 薪作りには薪割機やチェンソー、薪棚などの初期投資が必要だし、維持費も掛かる。かといってホームセンターで1束600から700円も出して買っていたら、1日で3000円前後、1シーズンでは40万円にもなってしまうので問題外、買う人がいるから売っているんだろうけど、どんな人が買うのか見てみたい気もする。
 幸いこちら栃木県足利市では河川敷の立ち木を無料で切らせてくれるので、原木はタダで手に入る。
 

河川敷で伐採

 車で20分くらい、4往復もすれば1年分の薪を確保できる。
 ありがたいことに伐採地までは砕石が敷かれているので、乗用車でも問題なく入ることができる。
 樹種はニセアカシアで、河川敷には日本全国どこでも生えている樹だ。枝にトゲがあるのが少し厄介だけど、薪割しやすく火持ちもそんなに悪くない。

これくらいの樹なら誰でも楽勝

 必要な道具はエンジンチェンソーとハンドウィンチくらい。
 ケイヨーデイツーで9800円で購入した300mmの小型のもので十分だった。パワフルなプロ用チェンソーでは枝払いの時に持て余す。ハンドウィンチは伐採方向をコントロールするのに使用する。本当はチルホールと滑車を使うべきなんだけど、これ位の樹なら安い道具で十分。
 当たり所が悪ければ大怪我するかもしれないけれど、平地で足場もいいのでよっぽどのヘマをしない限り危険を感じることはない。20mはある樹を倒すと地面が揺れてなかなかの迫力があるし、伐採作業は単純に面白い。

積み降ろしは重労働

 生木は見た目より重く、1本20kg~30kgはあるので筋トレにもってこい。冬は体を動かすのが億劫になるけど、生活が掛かるとやる気もでる。トレーニングと生活の足しの一石二鳥。結局こういう作業を楽しめるかどうかに薪ストーブ生活の成否がかかっている。倉庫で他人の荷物を積み降ろしして灯油を買うよりは、ずっと楽しいとは思う。
 1山=1t=1か月分位。軽トラだと1回でこの半分も運べないから、思い切って2tトラックを借りて一気に運んだほうが早いかもしれない。1t分の伐採は2~3時間もあれば終わるから、午前と午後で2往復して2日で1シーズン分を確保。
 

玉切

 原木は裏山に数年分をストックしてあるので、必要に応じて玉切りし、運搬車で薪棚まで運ぶ。玉切作業は電気チェンソーのほうが疲れなくてよい。エンジンチェンソーのほうがパワーがあってすぐ切れるけれど、常時エンジン音が響いていると煩くて疲れる。いちいちエンジンを切って何度もスターター引くのも疲れるし。電気チェンソーは切るときだけ通電するから落ち着いて作業できる。

薪棚

 1か月分くらいの玉切材をストックしておける。
 薪割してから棚に積む人が多いみたいだけど、薪割は1週間分くらいを使う直前にやっている。薪にした方が乾燥は進むけれど、原木状態でも2~3年野積していれば十分乾燥しているし、乾燥していた方が薪割もしやすい。要は2~3年余裕を見て原木を入手しておけば、薪棚はそんなに要らないということ。

中華製薪割機

 1500wの電気モーター式油圧薪割機。ヤフオクで2万円で購入してもう4シーズン程使用しているけど快調。
 長さは45cmで、これは薪ストーブの内寸とも、薪の入れ物にしている収穫コンテナの寸法とも同一なのでちょうどいい。
 パワーは節の入った木は少し手こずる程度でたいていは十分。直径30cm以上の原木を扱わない限り、エンジン式薪割機の必要性は感じない。
 収穫コンテナで14箱、1週間分の薪を30分程度で作成できる。斧で薪割はロマンがあっていいけど、半日以上はかかってしまうので効率を考えると手放せない。

楽しい火遊び

 炎を見て爆ぜる音を聴いて楽しめるのが薪のいいところ。
 なかなか暖かくならないし、30分に一度は薪をくべなければならないし、石油ストーブの方が遙かに簡単で暖かい。
 でもあまり陽も当たらなくなった冬枯れの寒村の谷間で、唯一の色彩とも言える薪ストーブは冬の貴重な娯楽なんだ。